恵比須“様”と恵比須“紙”
石川 秀行「恵比須紙」・・聞いた事ありますか?本や雑誌の裁断時に紙の隅が内側に折れ込んだまま裁断されてしまい、三角状の裁ち残しのある紙のことを言います。
普通は、“裁断ミス”と言うことになるのですが、最近の裁断技術の向上の為か滅多にないということで「福紙」「恵比須紙」と呼ばれ“縁起が良い”と言われています。
しかし、なぜに「恵比須紙」??と思い、調べてみると“神無月”と言うキーワードが出てきました。
皆さんご存知の通り“神無月”と言うと、日本各地の神様が男女の縁結びをするために出雲に集まってしまうので“神無月”と呼ばれています。しかし、どうやら留守番をしてくれる神様も居るようでして・・。
恵比須様は、七福神の中で唯一留守番をしてくれる神様のようです。この「留守番をする福の神」から「旅立たずに残る福の神」、すなわち「立ち残る神」を「裁ち残る紙」と掛けて「恵比須紙」となったようです。
恵比須様は、航海安全の神様・商売繁昌の神様と言われています。今思い返すと、私の読書人生の中で数度、この「恵比須紙」に遭遇したことがあります。
しかし、当時は「恵比須紙」なんて言葉知らなかったので、ただの“裁断ミス”として処分していました。縁起が良いのなら取っておくべきだったなぁ・・。
今後は、商売繁盛にあやかって「恵比須紙」を見つけたら保存しておこうと思います。
しかし、いつ「恵比須紙」に出会えるかは、恵比須様の気まぐれによりますが・・・
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