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鉛直円運動の運動方程式

 速度を向心方向と接線方向に分けると向心方向では円運動の運動方程式(1)が成り立ち、接線方向では運動方程式(2)が成り立つ。この(2)を変形していくとやがてエネルギー保存則が(3)のように成り立つのです。さあ、式を追ってみよう。

\begin{eqnarray*}
m\frac{{v^2 }}{r} = F - mg\cos \theta            (1...
...rac{{mv^2 }}{2} = mgr\cos \theta + C              
\end{eqnarray*}

ここで初期条件$(\theta = 0$$v = v_0 )$を用いると積分定数Cがきまり以下が得られる。

\begin{eqnarray*}
C &=& \frac{{mv_0^2 }}{2} - mgr               \\...
...s \theta ) = \frac{{mv_0^2 }}{2}               (3)
\end{eqnarray*}

 すなわち、接線方向では重力が仕事をするので運動エネルギーの変化を生じ、運動方程式がエネルギー保存則に書き換わる。しかし、向心方向では力が速度$\vec{v}$と直交するので仕事をしない。よって運動方程式だけにとどまる。このように鉛直円運動の問題ではいきなり、向心方向の運動方程式との鉛直(接線)方向のエネルギー保存則をたて解き進めていく。教科書の例題4をやってみよう。 ただし、$\theta $の向きが速度$\vec{v}$と逆向きなのでマイナスとなるからね。$(2)$の式

\begin{eqnarray*}
m\frac{{v^2 }}{r} = N + mg\cos \theta  (1)\\
m\frac{{dv}}{{...
...v^2 }}{2} + mgr(1 + \cos \theta ) = \frac{{mv_0^2 }}{2}   (3)
\end{eqnarray*}

(2)から(3)が導かれます。(でもいきなりエネルギー保存則 (3)を書いて解き進めていけばいいですよ)

Sadahiko TOKIDA
平成14年5月24日