横津岳〈函館市民に親しまれた山〉標高1167m


1970年頃まで函館の人は手軽に横津岳を登った。土曜日の夜ライトを照らしなが ら、行列を作って横岳荘まで行き、翌日は頂上を経て、赤川まで下りてきた事を覚え ている。しかしスキー場が出来、車の発達により、登山をする山としての横津は忘れ られようとしているようである。現在爆裂火口は一つもないが、那須火山帯に属して いる。第3紀に活動は終わり、第4紀には侵食作用を受け頂上はなだらかな台地状と なり、山麓には七飯岳・鳴川岳・袴腰岳・丸山などの小独立峰を伴っている。頂上付 近には湿地帯があり、ワタスゲなどの湿地性植物も見られたが、運輸省のアンテナ工 事の為に舗装道路が出来て以来、めっきり減ってしまった。頂上からの展望は、渡島 半島部で一番高いため素晴らしい。道南一帯と下北半島・津軽半島まで望まれる。 南に向かって八甲田・岩木山、西に大千軒岳・ユーラップ岳・狩場山、北にはニセコ 連峰・羊蹄山・ホロホロ山・徳舜瞥山・恵庭岳・樽前岳・日高の山々、そして東には 恵山と展望することが出来る。
地形図5万分の1「臼尻2万5千分の1「 」

アプローチ 白沼コースは、函館バス赤川(終点)から中野ダム横を歩き、白沼鉱山跡から登山道に入り、 袴腰岳経由で横津岳に至るが、夏道は現在使われておらず、積雪期でなければ無理である。
大中山コースは現在スキー場への舗装道路によって分断されており 舗装道路を歩くほかない。
    七飯石切り場経由のコースも七曲がりで笹をかぶっていて使われていない。
積雪期でもスキー場まで、大中山駅より無料のバスが出ている。ゲレンデを壷足で登り、 精進川沿いに下降すると西武七飯大沼スキー場に出る。
天気がよければ袴腰岳経由で赤川への下降も出来る。

キャンプ場 なし
山 小 屋 かって親しまれた横岳荘は取り壊されてしまった。
担当営林署 森営林署七飯担当区( 0138-65-2026)

山行記録 1991年3月26日
 遺愛女子高等学校山岳部女子3名

車でスキー場駐車場まで行き、9時出発。リフトの下を登り約30分でリフト終点着。 そのまま直進し、まだ雪をかぶっているブッシュの間を約20分進むと、ところどころ アスファルトを出している運輸省道路に出る。天気は晴。暖かく気持ちがよい。のんび りと緩斜面の道を頂上まで歩く。10時25分着。頂上では少し風が出て寒さを感じた が、建物の陰で小休止。360度の展望が素晴らしい。10時40分下山開始。用意し た子供用のソリで滑り始めるが、緩斜面と雪の表面が緩んだこともあって、あまり滑ら ない。スキー場までくるとさすがよく滑る。スキーヤーの間を歓声をあげながらソリで 一気に降りる。10時45分駐車場着。

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